

男性のスマートカジュアルとは?
基本とNG~大人の好印象見えコーデ
メンズのスマートカジュアルとは? ビジネスカジュアルとの違いは?
ここ10年ほどでクールビズと働き方改革が一気に加速し、ビジネスにおける服装はかつてなく自由なものへと変化しました。業界や職種によっては、ジャケット着用であればノーネクタイでも構わない“ビジネスカジュアル”や、スニーカーやポロシャツといったカジュアルアイテムまで許容される内勤用の“オフィスカジュアル”も広く普及するようになりました。
スマートカジュアルには厳密な定義はなく、上記のビジカジとオフィカジを含んだ、“広義のキレイめカジュアル”と捉えるのが適切でしょう。基本的にはジャケット+パンツが前提ですが、夏には半袖シャツやポロシャツを、冬にはニットを取り入れる自由度の高さがスマートカジュアルの特徴であり、ビジカジとの大きな違いです。
ドレスコードにおける、スマートカジュアルの位置づけ
メンズファッションにはドレスコードと呼ばれる服装規定が存在します。公的な式典への出席や結婚式の主役となる際に着用すべき燕尾服とタキシードが「フォーマル(正礼服)」、披露宴などで主役に次ぐゲストとして招かれた場合に着用すべきディレクターズスーツが「セミフォーマル(準礼服)」、招待状にビジネスアタイアと書かれたパーティなどで着用すべきダークスーツが「インフォーマル(略礼服)」となります。
ドレスコードを加味して、現実的な着こなしを大別すると下記の順序となるでしょう。
フォーマル>セミフォーマル>インフォーマル>ビジネスカジュアル≧オフィスカジュアル≧スマートカジュアル>カジュアル
このようにフォーマルの範疇ではないけれど、単なるカジュアルとも言い切れないスタイルがスマートカジュアルに当たります。一般人がフォーマルまたはセミフォーマルを着用する機会は結婚式で新郎になるか、その親族となるときくらいですし、多くの人が略礼服の一種であるブラックスーツをフォーマルウェアとして代用しているのが実情でしょう。そしてカジュアルを受容するシーンが多くなった分、その種類も細分化しているといえるのです。
結婚式の二次会などでスマートカジュアルが活躍
フォーマルやセミフォーマルは非常に限定的かつ明確ですが、スマートカジュアルが活躍するシーンは意外なほど多いといえるでしょう。例えば、結婚式の二次会やレストランでの会食など、ネクタイを締めてスーツを着ていくほどではないけれど、きちんと感を演出したいシーンは多々あるはず。そんなときに役立つのがスマートカジュアルです。それではスマートカジュアルに欠かせないアイテムの紹介とその組み合わせ例を、順を追ってご紹介していきます。
知っておきたいスマートカジュアルの基本アイテム
ジャケット
スマートカジュアルの基本は、やはりジャケパン=ジャケット+パンツです。そもそも英語のジャケットとは上着を総称する言葉ですが、本稿で指すジャケットとはラペルのあるテーラード型のこと。ネクタイを締めるとビジネス感が高まりますが、ノータイかつシャツの裾を出すことで適度なリラックス感を漂わせるのがポイントです。
シャツ
シャツをアウター代わりに羽織るのも、夏のスマートカジュアルの代表的なテクニック。フロントの開け閉めで見た目の印象を大きく変化させることができ、体温調整が素早くできることも利点です。身体にぴったりフィットしたドレスシャツではなく、ウエストの絞りがなく、少しゆとりのあるシルエットのシャツの方がスマートカジュアル向けです。
パンツ
スマートカジュアルにおいて最も重要なのがパンツ選び。パンツといってもさまざまな種類がありますが、ここで指すパンツとはいわゆるスラックス型のことで、程よくスリムでテーパードシルエットが基本です。人気のワイドパンツがNGという訳ではありませんが、どうしてもカジュアルに見えがちなのでセミワイドくらいが適切でしょう。
靴・スニーカー
スーツに革靴を合わせると、どうしても堅い印象に陥りがち。そんなシーンでは、スーツに白スニーカーを合わせてみましょう。特に白シャツとの相性は抜群で、絶妙な抜け感と清潔感をもたらしてくれます。アッパーはスムースレザーで、ボリューム感のあるフォルムがおすすめ。汚れが目立たないように、こまめなお手入れもお忘れなく。
スマートカジュアルでNGな服装とは
スウェットパーカとジーンズという一般的なストリートスタイルですが、もちろんスマートカジュアルとはいえません。プライベートでは気兼ねなくカジュアルを楽しむべきですが、その場の雰囲気を踏まえて周囲へ配慮した着こなしを優先すべきシーンもあるはず。こうした気遣いができる大人にこそスマートカジュアルが必要なのです。
ノーネクタイやジャケットなしでも大丈夫?よくある質問をスッキリ解決
Q:ジャケットはなくても大丈夫?
大前提として、酷暑にジャケットやネクタイを無理して着用する必要はありません。また、ジャケットでは堅苦しいと思われるシーンであれば、マストという訳ではありません。シャツジャケットや薄手のブルゾンでも十分大人っぽく上品に見せることが可能です。ただし、上質な素材感とシンプルなデザインは必須条件となります。
Q:靴はスニーカーでもいい?
色合わせと素材感さえ意識すればスニーカーでも大丈夫。ただし、ブランドロゴが主張しているものは避け、なるべくシンプルなものを選ぶことを心がけましょう。また、トップスとシューズの色を合わせるサンドイッチコーデは、おしゃれ上級者の常套手段。足元だけ悪目立ちすることがなく、落ち着いた印象を与えられます。
Q:スーツと革靴でも大丈夫?
スーツでネクタイを締めると単なる仕事着になってしまいますが、インナーにTシャツやニットを合わせたり、いつもと違う色や素材を選んだりすることでリラックス感のあるコーデに。おしゃれなレストランで家族やパートナーと食事をするときや子供の授業参観など、プライベートでもスーツと革靴を積極的に活用しましょう。
Q:セットアップにしておけば安心?
日本では上下で異なるサイズを選び、それぞれ単品購入ができることからスーツとセットアップを区別していますが、そもそもセットアップスーツが正しい呼称であり、上下揃いの生地でできた服のことを指します。一部のカジュアルセットアップは例外として、ジャケットとパンツのセットアップであればほとんどのシーンで通用します。
Q:デニム生地やジーンズでもOK?
元々ジーンズは作業着として生まれたので、どうしてもラフな印象を与えてしまいがちですが、センタークリース入りでスラックス風のジーンズならスマートカジュアルにも違和感なく取り入れることができます。やはりシルエットはテーパードの効いたやや細身なものが適任。もちろん、過度な色落ち加工やダメージ加工は御法度です!
Q:夏はポロシャツやTシャツなど、半袖だけでもいい?
猛暑の中で無理してジャケットを着用する必要はありません。とはいえ、多くのシーンで短パンがNGとされているのは、人前で不用意に肌を露出させることが下品とされているから。トップスに半袖を選んだのであれば、ボトムスは当然フルレングス。パンツの裾丈をくるぶし丈にすることで、涼しさと軽やかさを両得できます。
Q:冬はニットやセーター、カーディガンなどを重ねても大丈夫?
昼夜の寒暖差が大きい端境期にニットはもってこい。同色または同系色で重ねれば、決してだらしなく見えることはありません。やはりここでも重要になるのは上質な素材で無地であること。ライン入りのチルデンニットやノルディック柄のニットは子供っぽく見えがちだからです。ミドルゲージかハイゲージが着回しやすいでしょう。
【春夏】年代別 おすすめコーデ例
スマートカジュアル自体が大人っぽく落ち着きのあるコーディネートのため、年代ごとに明確なルールや差異が生まれる訳ではありません。その年代に応じたジャケパンやセットアップの着こなしといった、好印象に映るコーデをご紹介します。
20代はモノトーンスタイルをマスターしよう
スマートカジュアルを実践するなら、まずはジャケパンスタイルから。引き締め効果のある黒ジャケットと脚長効果のあるダークトーンのスラックスなら見た目もスマートに。全身ブラックやチャコールグレーだと威圧的に見えてしまいがちなので、インナーに白を持ってきてバランスのいいモノトーンスタイルに仕上げましょう。
30・40代 活用シーンが多いコーデはこれ
オンオフともにさまざまな着こなしを通過してきた30代は、より自由度の高いスマートカジュアルに挑戦してみては? 適度にハリ感のあるニットカーディガンをジャケット代わりに羽織り、インナーにはTシャツ、ボトムスにはタック入りパンツを合わせ、見た目にもリラックスしたコーディネートがおすすめです。
50・60代 大人かっこいい春夏のスマカジとは
一般的に年齢を重ねるとともにフォーマル度の高い着こなしの方が似合うようになるため、違和感を抱かせることがありません。若見せしようとして不必要にカジュアルを取り入れる方が、チグハグな感じになりがち。そこで、スーツのインナーにポロシャツやニットTを合わせ、Vゾーンを砕けた雰囲気にするとこなれて見えます。
【秋冬】年代別 おすすめコーデ例
20代 グレーを基調にした大人カジュアル
薄手のブルゾンをジャケット代わりにしたスマートカジュアルの一例。すっきりとしたIラインにまとめ、インナーをブルゾンと同系色にすることで、抑制の効いたコーディネートが完成。このようにグレーやベージュなどの中間色をベースに、同系色を配したトーナルカラーコーデを覚えておくと何かと重宝します。
30・40代 いつもと違う素材と色に挑戦
30代になると、ネイビーやグレーのスーツとセットアップは、自ずと増えていることでしょう。そこで、ブラウンやカーキなどいつもと違う色のスーツを取り入れてみてはいかがでしょう。コーデュロイやヘリンボーンなど表情のある秋冬素材であれば、見た目にも暖かく、着こなしのバリエーションが広がります。
50・60代 コートを軸に組み立てるシックな着こなし
秋冬に積極的に取り入れたいアウターがチェスターフィールドコート。英国生まれのチェスターは元々スーツとの組み合わせを前提に生まれたアイテムですので、スマートカジュアルとの相性も抜群。ニットの上に重ねるだけでも好印象にまとまります。購入時にはジャケットの上に重ねて着ても窮屈に感じないサイズを意識しましょう。
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